「船場アートサイトプロジェクト Vol.02」(日比野克彦、金氏徹平、梅沢和木、横田大輔)「拡張するメディウム」展
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<参加アーティスト>
日比野克彦、金氏徹平、梅沢和木、横田大輔
<展示会概要>
商都大阪を支えてきた船場地区は、近年、インバウンド需要によるホテルや職住近接によるタワーマンションの建設が進み、「暮らしが息づく街」、「職、住、遊がバランスよく調和する地域」へと変化を遂げつつあります。
2025年の日本国際博覧会(大阪・関西万博)開催を機として、大阪がドラスティックな変化の時を迎えている中、「船場アートサイトプロジェクト」では、大阪の中心である船場地区をアートでアップデートし、国内外に向け一大アートサイトとしてリブランディングを試みる予定です。
7月17日~9月5日の期間開催した「船場アートサイトプロジェクト Vol.01」では、大阪発祥の株式会社大林組の会長でもあり、大コレクターでもある大林剛郎氏の「“CONTRAST = Light and Shadow”大林コレクションから日本の現代写真」や、東南アジアのアーティストを紹介する「水の越境者(ゾーミ)たち -メコン地域の現代アート-」展、また大阪ゆかりのアーティスト達の「Art Exhibition by Osaka Artists」展を開催しました。
第二弾となる今回の「船場アートサイトプロジェクト Vol.02」では、株式会社リコーとDART株式会社との共催で、産業やテクノロジーとアートとの在り方を考察する展覧会「拡張するメディウム」展を開催します。
人類は洞窟壁画の時代から、その都度発明された技法、技術を用い、アートとして表現の幅を広げてきました。チューブの絵の具の発明により、印象派が誕生し、カメラやビデオの発明により複製可能なアートも多様になりました。
アートは生み出される瞬間までは創造性が原動力であるものの、一旦生まれたアートは、遺すものとして存在します。
翻って、人類の歴史とはアーカイブ(遺す行為、遺されたもの)するために営まれているともいえ、人類のみならず生物そのものが遺伝子の受け皿であり、果ては宇宙すらもアーカイブ装置ではないでしょうか。
大阪は近代以降、船場を中心として、紡績業、織物業が栄え、またそれらを支えた商社や私鉄の発展により「東洋のマンチェスター」と呼ばれ、大大阪時代には東京を抜いて、日本最大の人口を有する都市となりました。
また、船場に暮らし商いを営む「船場の旦那衆」が文化芸術を支え育んでいた歴史があります。加えて、船場は鳥井 信治郎(サントリー創業者)や、松下幸之助(パナソニック創業者)などが経営者としての研鑽を積んでいたスタートアップの街でもありました。
「拡張するメディウム」展では、株式会社リコーの社内スタートアップとして生まれたアートブランド「StareReap」による、凹凸やテクスチャー表現を可能したインクジェット技術がベースのメディウムとして創られた日比野克彦、金氏徹平、梅沢和木、横田大輔の作品22点を紹介します。
起業家や経済人たちがビジネスのみならず、最先端のアートを支えていた大阪・船場で、産業やテクノロジーの介入によって、アートやアーカイブが今後、どのように変容するのか本展覧会を通して考えたいと思います。